2021年5月22日土曜日

現行のコロナPCR検査を「5年前にすれば」どういう結果だったか?  

この1年余のコロナPCR検査体制の総括=不適切さは単純明快だ (その1)

現行のコロナPCR検査を「5年前にすれば」どういう結果だったか?  

コロナPCR検査を「真の陽性者ゼロ」の集団に実施した場合

◎現行のPCR検査は、感度が70%、特異度が99%(注参照)

被検者の属する母集団に真の陽性者がいない場合、

その計算結果は、1万人に検査をすると、

検査陽性者 100人(全員が偽陽性者)となる。

これは、5年前の過去に(今回の新型コロナはまだ発生していない & 新型コロナに対する現行のPC検査は技術的に作れない)、現行の新型コロナに対するPCR検査をタイムスリップして持っ行ってこれを行った場合でも同じことになる。日本の1億人に検査したとすると、百万人もの多数が陽性になる。実際には、真の陽性者は存在しないのに。

無差別に広く検査をしてしまうと、無視できない程度のウソの陽性者ばかりが出てしまうということが明らかだ。      

どんどん検査を広めようという専門家は頭が狂っているのではありませんか。いわゆるクラスター関連の場合などの濃厚感染のリスクの高い集団にのみ、それも条件次第でのみ(そのことは、また説明する予定)、許可されるべきものだ。その場合でも、スクリーニング検査というものは、偽陽性の紛れ込みが無視できない程度にありうるという念頭がないといけない。

しかし、広く検査をした場合だけに問題が起こるというのではなくて、散発的におこなった個々の検査結果には確率的に百分の一の偽陽性が出る(特異度が99%の場合にはそうなる。なお、99.9%の場合は千分の一になる)というあいまいさは厳然として存在する。

いずれのスクリーニング検査にもこうした無視できない誤判定がある。こういうあやふやな検査結果でもって、まるで確定的な結果であるかのごとく判定して、個人や所属する集団に対してその行動を、度を超して、制限してはいけない。しかしながら、1年余にわたって日本はそういう状況なのだ。問題は、非常事態とはいえない状況なのに「度を超した」制限や強制をおこなっていることだ。 

現行のコロナPCR検査の一般的現況(おまけ)

◎現行のPCR検査は、感度が70%、特異度が99%(注参照)

●被検者の属する母集団の「真の陽性率」が1%(百人に1人)の場合、

  その計算結果は、1万人を検査した場合、

検査陽性者 169人(99人の偽陽性者+70人の真陽性者)

検査陰性者9831人(30人の偽陰性者+9801人の真陰性者)

実際には陽性者が少ない集団に検査をした場合、少なくとも陽性結果については信頼度がゼロという見方もできる。何故なら、この場合では、検査陽性者の半分が本当で半分がウソだからだ(1万人のうち169人が陽性になり、その陽性者の過半がウソの結果)。

さらに「おまけ」を書くとすると、

●その母集団の「実際の陽性率」がもっと少ない0.1%(千人に1人)の場合、

陽性者のうちで真の陽性者は7%に過ぎず、93%が偽陽性となる。

●その母集団の「実際の陽性率」がもっと多い10%(十人に1人)の場合、

陽性者のうちで真の陽性者は88%に向上し、偽陽性者は12%に過ぎなくなる。それでも1割はウソの陽性ということだ。


(注)日本災害看護学会のHPに掲載の「新型コロナQ&Aその27」には、判りやすい説明がある。その中に、参考記載として「日本感染症学会では感度90%以上、特異度ほぼ100%としているが、その根拠資料は中華人民共和国(!!)の2つのデーターで、特異度が100%のものと98.6%または90.0%のものだった」とあった。そのうえで、このHPでは、「ここでは、感度70%、特異度99%としておく」とあった。この程度の値が大方の考えのように僕にも思われる。なお、僕からすれば、この重要な特異度について「ほぼ100%」という日本感染症学会の記述は多少認識が悪いと思われる。ここでは気安く「ほぼ」は使ってほしくない。それは、98%なのか99%なのか99.9%なのか99.99%なのか判らないが、これによって対数的に偽陽性率が増減するからだ。例えば、~98.6%~とか無理やりでも数値を入れてほしい。(追加)2020年当初からの、この検査の非常に重要な精度の根拠が、中華人民共和国の発表した資料だけに依存して、それをそのまま公的サイトがコメントなしで拡散しているということに僕は驚きを禁じ得ない(2021.08.13)。

 大変重要なことに、もし検査の特異度が本当に100%であったら(偽陽性はゼロ)、その時点で、僕を含む、現行のコロナ検査の適用に対して批判を行っている論者の根拠はかなり(全部ではない)なくなってしまうことになると思う。だから、「ほぼ100%」という記載は安易にしないでほしいと思う。ただ、特異度が100%ということは、現実的・実際的には決してないはずだとも思われる。

(注)日本免疫学会のHPにも同様の「新型コロナQ&A」のコーナーがあるが、「PCR検査の感度は?」についての記述は「検査自体以外の要因の影響が大きいこともあり、一概に感度は何パーセントとは言いきれないのが実情」とある。これは、実態をよく知っている専門家ならではのさすがの発言と思われる。しかし、特異度については言及がないことに僕は疑問を感じる。世間の「感度はどのくらい正確なのか?、つまり偽陰性の心配」だけに迎合していると思われる。偽陰性の問題は確かに重要だが、偽陽性の扱いの方が現状でははるかに問題であるという議論の僕からみれば、この学会の認識は大変悪いと思ってしまう。なお、僕は今でも日本免疫学会と日本癌学会の会員で、50年間も年会費を払い続けている。

(注)また、概念としては確かな「真の陽性者」とか「真の陰性者」自体が実際に確定されることは難しいと思われるので、結局は、感度・特異度の確定値は得られるはずもなく、推定値にとどまると思われる。


0 件のコメント:

コメントを投稿