2020年1月16日木曜日

脱イデオロギーの意味論(その1)炭酸ガスは地球温暖化の元凶というのは本当か

つい最近、幸福実現党党首の発信するユーチューブをみた(20200103地球温暖化問題の不都合な真実。CO2 排出削減は正しいのか?パリ協定。COP。富の再分配。(釈量子))。僕は、日本において宗教が政党の中核になるというのを是としていない。そういう意味で公明党は嫌である。公明党の主張そのものも「偽善」の色合いが濃過ぎて、ポピュリズム性が著しいので宜しくないと思っている。ただ、幸福実現党の主張している事柄は以前にも読んだことがあるが、政治的には左右に偏していないように思われるし、現在までのところ今の政党の主張の中では最も妥当なものと思っている。自民党もこういう方向に是正して欲しいものだと思うことが多い。
 「炭酸ガスによる地球温暖化」説の怪しい点については、地球環境問題に造詣の深い武田邦彦教授の数多くの議論を僕も読んでいる。彼の意見が全部正しいとも限らないと思うが、彼の議論をかなり吸収していることになっている。

 僕自身は、自分自身の観点からこの問題に触れてみたい。
先ず、上述のユーチューブはよくまとまっていて、知識の整理によいと思うので、紹介しておく。これは以下の事実提示で始まった。昨年9月の国連機関の場で一人の女の子(16歳のスウェーデン人の環境保全活動家だという)を発言させて、炭酸ガス排出する国を許せないと言わしめている。逆に、その3カ月後には米国のトランプ大統領は「気候変動抑制」への努力体制のパリ協定からの離脱宣言をした。
 引き続いて、炭酸ガスの温暖化元凶説の根拠になったマイケル・マン教授による最近までの地球の気温の推移についての「ホッケースティック曲線」(グラフ)の学問的根拠が怪しいことが主張されるようになってきたことが示された。そこで、多くの研究者による同様の曲線のまとめが示されている(グラフ)。それによると、マン教授以外の曲線では最近の気温の上昇があるとしてもそれほど目立っていることでもない。グラフから判るように、現在は短いタイムスパンとしては、4世紀前の頃を下方のピークとした小氷期からの気温の上昇中の曲線の中に乗っているようである(長いスパンでは、通常は1万年が続くとされている間氷期がもうその1万年が経過している時期なので、そろそろ次の氷河期の到来がやってくるとの意見もあるが、いや次の氷河期は2万年以上先の話だとの意見を拾うことができた)。そういう流れが多少は加わっていることもあると思われるが、それでも二十世紀後半の気温が最近の8百年の中では明確に高いことは確かなようである。しかし、今後もどんどん上昇していくのがほぼ確定的と言えるかについてはどうであろうか。 
 次に、現在の国家としての最多炭酸ガス排出国の中共(27%・もともと協定に縛られていない)と二番目の米国(13%・協定離脱を表明した)とを合わせただけで世界の40%にも達することが示されている。既に真面目な工夫とハイテクで炭酸ガス排出抑制に努めてきた日本は(世界3位の経済大国であるにもかかわらず)なんと3%弱しか排出していない。それなのに、多少の石炭発電の継続をしていることをもって国連から最近「化石国家」と罵られていることを示している。国連ではユネスコでも捕鯨機構でも馬鹿な程人の好過ぎる(これはやはり馬鹿だ)日本は不当な非難を浴びながら高額の負担金を納入している。「日本の国民から巻き上げた税金だぞ」と僕は言いたい。僕は、結構の額の税金を巻き上げられてきたから、多少はそう言いたい。
 このユーチューブでの最初の感想として、この女の子を国連政治に利用する大人が恥ずかしいと思う。16歳の子供というのは、「世の中にはいろんな考えや真実があること」を学んで将来に備える時期なのだ。端的に言って、国連の実態は、国益の戦いだけでなく、関係者の個人的な賄賂が飛び交うところでもあり、国際金融機関などのグローバリスト達が蠢いていて利権が大いに絡んでいるところらしい。この女の子は、そういう大人たちに利用された「可哀そうなグレタ・トゥーンベリさん」というべきだろう。可哀そうだが、やはり16歳にもなっているということを考えると恥ずかしい所業だと思う。将来、この過を福として欲しいものだ。とにかく、「子供を使うなよ」。

 さて、科学者は真実を明らかにする仕事をしているともいえるが、物事はそうしばしば上手くいくとは限らない。もし立派な学説を立てることが出来れば、立場上はその後はそれにしがみつくことになりかねない。科学者は聖人でもないし、一般に貧乏な職業だ。自説が怪しくなってもしがみ付こうとするのが普通だろう。非常に稀には、しがみ付いていたら「アッと驚く本当だった」ということもないこともないので、話はややこしい。つまり、怪しい自説にしがみ付くことも一つの学問発展に寄与する責務の一つであるとも強弁できる余地がある。
 しかし、忘れてはならないことは、政治・実態経済などという生の人間が生きている場にこういう個人の恣意的な思惑が実際的に大きく絡んでいる「学説」レベルのものをイデオロギーのように安易に持ち込んではいけない。これが、このブログの最も主張したい点だと強調しておきたい。
地球誕生46億年といわれる歴史(この年数も将来の研究成果の中で大幅に訂正されない保証はない)の中で、何某かの気候の資料がある程度知ることが出来る(らしい)のは、「ホッケースティック曲線」でも千年程度のグラフであり、しかも気温が上昇してきたと主張しているのはこの百年足らずの間のことだ。判ったと思われていることなど「ほんの一部」でしかない。もっと最近のデーターでは、むしろ気温と炭酸ガス濃度とは言うほどの相関がないという資料も提出されている(僕は、実際にこのグラフを見た)。しかし、もう長年の利権構造が出来上がっている世界では、「元の学説」を簡単には放棄できないはずだ。最初は純粋な学術アイテムであっても、そのことに大規模な科学技術や莫大な投資がある程度進んでしまったら、それは経済を中心に利権構造になってしまうのも成り行きなのだ。それ故、初手から学説レベルであった時点で社会のコンセンサスにしてしまったことに罪がある。

 「地球温暖化が原因で、今後の台風はどんどん勢力が強くなる」と気象庁の職員がポピュリズムTVで垂れ流しているのを視聴したが、自身の乏しい知識をもってそんな大それたことを表明して恥ずかしくないのだろうかと僕は思った。気温の変動には数多くの(既知や未知の)因子が絡んでいる。
医学研究の領域では、因果関係の検証に単純な相関関係で結論を出すことなどはもう随分以前の低レベルの話となっている。人間の機能の発現には数多くの因子が絡んでいるので、多変量解析(僕自身はあまり分からないが)などの解析などをもって信ぴょう性を向上させるようになっている。そういう医学関係の論文でも、特に、血圧や心疾患や、動脈硬化や、それにかかわる食品・薬物などでは、いい加減な論文がまかり通っているという印象を僕は抱いている。
 地球の気候のような事柄においては、人間の身体に勝るとも劣らないような多くの因子が絡んでいると思わなくてはならないはずではないか。

 僕自身は、次のブログで触れるように、この数世紀の人口の爆発的な増加が地球の気候にそれなりの変動を与えてしまうような危惧を以前から持っている。しかし、空気中の炭酸ガス濃度自体が直接的な気温上昇(たとえ、そういうメカニズムが事実であるとしても)の現実的な原因因子であるかどうかの議論の決着はついていないと思われる。学説の域を超えていない物事を政治・生活の面に権力(一国の法律や国際的取り決め)でもって導入するのは愚かなことだ。
なお、「空気中の炭酸ガス濃度」と「気温」という因子の間の関係は前者から後者への影響というメカニズムは間違いではないとしても単純すぎる話だ。一つには、実際にいうほどの気温上昇効果がもたらされているか? このことはよく指摘されているところだ。二つ目に、前者から後者への「片務的」な影響だけなのかということだ。実は、後者から前者への影響は皆の知っているはずのことだ。これらのことも、書物やネットの世界では指摘されている方々がいる。新聞やテレビではこういう意見は出てこないのである。この、特に戦後の日本の、報道の体質と構造に庶民はアラートであるべきだ。
 事実として、気温が上がると超容量の海洋に溶解していた多量の炭酸が気化して空気中の炭酸ガス濃度が大きくなる。僕たちが日常的に良く知っているこの現象(炭酸水を温めると空気中に逃げる)のことを全く言及しないで前者➞後者への影響だけで相関曲線を説明するということは、頭脳が単純でないのであれば、政治的または利権的またはイデオロギー的バックグラウンドがあると見做さなければならない。
 そして、地球の気温の変動は空気中の炭酸ガス濃度の変動に先行している(百年~二百年)パターンであることが過去4千年のことを調査したデーターが示されている(Barnola 2003)のである下記グラフ)。つまり、あのサイダー現象(気温が上がるとサイダーから炭酸ガスが逃げて不味くなる)の機序の方が圧倒的な理由だと僕には確信できる。なお、炭酸ガスよりも地球を取り巻く雲や水蒸気の量の影響が気温に一番影響する因子らしいが、これについて国際的な声明や取り組みはほとんどないようである。やはり、真実の追求よりも利権構造の方が情報に大きい力を持っているのだ。

 既に述べたように、長い時間スパンで俯瞰すれば、現在は氷期と氷期との間の氷間期に当たっている。今までに氷期(氷期)と間氷期とが周期的に入れ替わってきたことが知られている。その変動を説明する種々のメカニズムが提出されてきている。その中には、地球の大気の組成のダイナミックな変化や地球公転の軌道の変動なども含まれているらしい。そういう長いスパンのダナミックな機構の話は別にすると、僕自身も「現代のありうるところの地球温暖化現象」については若い頃から懸念したこともあったし、それなりの検討や解釈の思考実験をしたこともあった。次のブログにはそのことを述べてみたい。
僕の以前からのインスピレーションからすれば、炭酸ガス云々よりも、人口増加自体を本当にコントロールしないと大変なことになるという危惧を感じている。空気中の炭酸ガス増加だけを話題にするのならば、人間が余計な邪魔をしなければ、その増加に応じて植物が自然と増えてきて増加した炭酸ガスを消費してくれるだろう。しかし、人口がどんどん増加する状況そのものが、生物界のエコロジーに質的な変化きたしており、植物などの自然の生命の居場所がなくなってきている。この点をじっくり考えてみると、「人口増加」自体が予測不能なカオスを将来引き起こすことを憂慮しないといけない。
 なお、生物進化の学問からの知見では、植物の発生というものは地球における炭酸ガスの存在という「進化圧」によって誘導されたのであり、植物の光合成によって増えた酸素の存在という次の段階の「進化圧」によって動物の発生が誘導されたことになっている。人間が多過ぎなければ、自然に任せておればなんということもないはずだった。